夢を見た
真っ暗な夜
雨が激しく降っていて
雷が鳴り響いている夢
そこは 知らないところだった
自分の隣には妖精が一匹
目の前には
見たこともない大きくて白い建物
その場所に
ロイドとルークとオレが
3人で立っている
頑丈そうで大きな板が
がらがらと大きな音を立てて目の前に降りて来て
そのまま橋になった
すぐに別の音が聞こえてくる
見たこともない四本足の白い動物が走って来た
背中には大きな人と
自分たちと同じくらいの女の子
不安そうな顔をして目の前を過ぎていった
しばらくそれを見送っていたら
すぐ後ろで別の音が聞こえて
すぐに振り返ったら
さっきと同じ
でも真っ黒な動物に乗った
真っ黒な男が彼女の逃げて行った方を睨んでいた
そいつはオレたちの方に気付いて
夜が更け、月が地平線へ向けてゆっくりと下降し始める。
憂いも無き一六の歳の月。
よもや陰り有りとも思えぬ程の見事な月の端に、
滲みのように湧き出る黒雲。
それは瞬く間に月を覆い、空を覆い、
そして
森を覆った。
「
ナビィ、 ナビィよ・・・」
弱々しく紡がれる嗄れた声。
応えたのは、若い妖精だった。
「ここにおります、デクの樹サマ…」
ふるえる声で、言葉を紡ぐ。
「
来るべき時が、来た」
これが、かの高き大樹の声とは思えない。
「
あの妖精の無い子をここに… リンクをここに連れて来ておくれ・・・」
すぐに、と
言うが否や飛び出して行った妖精を見送り、彼は身の奥底に潜り込んだものに耐えた。
「
わしの予見とは異なったが、これも何かの縁なのかも知れぬ・・・」
ぽつりと零した言葉は、誰の耳に触れる事無く流れ出す。
想いを向けるは、鍛え抜かれし三色の剣。
蒼き空より舞い降りし『氷炎の剣』と
朱き音を操る鍵となりし『音叉の剣』
そして
我が翠の恩寵を受けし『退魔の剣』
「異界の世の救世の子らよ…
この国の命運を担わねばならぬ子に、導きの光を 」
to be continued…